# Office ファイル系ツール(ReadPdf / ReadExcel / ReadDocx / ReadPPTX / ReadMsg / PdfToImages / SplitExcelSheets / SplitDocxSections) ローカル workspace の Office 文書・PDF を読み込むツール群。 ## 読み取り系 ### ReadPdf ```js // 全文抽出 (page 区切りで markdown) ReadPdf({ path: "input/manual.pdf" }) // ページ範囲を絞る ReadPdf({ path: "input/spec.pdf", page_range: "10-25" }) // grep -n 風検索 (query mode) ReadPdf({ path: "input/manual.pdf", query: "保証期間" }) ReadPdf({ path: "input/manual.pdf", query: "保証期間", context_lines: 5 }) ReadPdf({ path: "input/spec.pdf", query: "第\\d+条", query_mode: "regex" }) ``` スキャン PDF(テキストレイヤなし)の場合は **自動で PdfToImages + Vision OCR にフォールバック**。手動で `PdfToImages → ReadImage` を呼ぶ必要は通常ない。query を併用すると OCR 結果にも同じフィルタが適用される。 #### 引数 | 引数 | 型 | デフォルト | 説明 | |---|---|---|---| | `path` | string | (required) | workspace 相対の PDF パス | | `page_range` | `"3"` / `"1-5"` | (全ページ) | 抽出ページ範囲 | | `max_pages` | number | (無制限) | 抽出ページ数の上限 | | `max_chars` | number | 50,000 | 返却文字数の上限 | | `query` | string | (なし) | 一致行のみ grep -n 風で返す。trim 後 empty なら全文 mode | | `query_mode` | `substring` / `regex` / `iregex` | `substring` | 検索モード。substring は大小無視 + metachar auto-escape | | `context_lines` | number (0..20) | 2 | query マッチ前後の context 行数 | #### query mode の出力例 ``` # foo.pdf, query: "保証期間" ### Summary - Total pages: 50 - Pages with match: 3 - Total matches: 5 ### Matches ## Page 7 — 2 matches 6: 商品は購入日より > 7: 保証期間内に故障した場合、無償修理対象… 8: ただし、消耗品は対象外です。 … > 22: 延長保証期間は最大 3 年まで… ``` `>` が一致行、空白マーカーが context 行。隣接マッチは context window が overlap したら 1 cluster にまとめられ context 重複を回避。 #### gotcha - **MAX_MATCHES_PER_PAGE = 50**: 1 ページで 50 件超のマッチは打ち切り、page header に `(capped)` を付与。`"the"` のような broad pattern を絞るシグナル - **`query_mode: "regex"` の invalid pattern** → `isError: true` で friendly メッセージ。substring mode は metachar をエスケープするので絶対に regex error にならない - **OCR fallback path** でも query 適用。スキャン PDF + キーワード検索 OK - 上記 PdfToImages の手動呼び出しは **DPI / 出力ファイル個別管理** がしたい時のみ。普通の "PDF を vision で読みたい" は ReadPdf 単発で済む ### ReadExcel ```js ReadExcel({ path: "input/data.xlsx" }) // → 全シートのセル内容をテキスト形式で返す ``` 巨大な Excel は token を食うので、シートを絞る場合は SplitExcelSheets を使う。 #### include_styles — セル装飾の取得(オプション) ```js ReadExcel({ path: "input/report.xlsx", include_styles: true }) // → 値テーブルの後に ### Styles セクションが追記される ``` デフォルトは `false`(後方互換)。`include_styles: true` を指定すると、値テーブルの直後に各シートの `### Styles` セクションが出力される。 **出力形式 — dedup legend + range map:** ``` ### Styles — Sheet1 s1 = fill:#FFF2CC;font:bold s2 = border:top(thin),bottom(double,#808080);numFmt:"0.00%" s1: A1:D1,A5:D5 s2: B2 merges: B2:D4 ``` - **legend**: スタイル ID (`s1`, `s2`, ...) とそのシグネチャを列挙。シグネチャは `fill` / `font` / `border` / `numFmt` / `align` のうち非デフォルト部分を `;` 区切りで結合した文字列。 - **range map**: 同一スタイルを持つセルを矩形にまとめて `A1:D3` 形式で列挙。単一セルは `A1`。 - **merges**: 結合セル範囲の一覧(`ws.model.merges` から取得)。 - **conditionalFormatting**: 条件付き書式が存在する場合 `present (effective styles not evaluated)` と表示(実際の表示色は評価しない)。 - **装飾のみ・値なしセルも捕捉**: スタイルスキャンは `includeEmpty:true` で実行するため、値がなく書式だけ設定されたセルも対象に含まれる。 - **`sheet`/`range` フィルタを尊重**: `include_styles` は値テーブルと同じ `sheet`/`range` フィルタでスキャン範囲を限定する。指定した範囲外のセルのスタイルと、範囲に交差しない結合セルは結果に含まれない。 - **デフォルト色の省略**: デフォルト色 (theme index 1 = 通常黒) に明示設定したフォント色はデフォルト扱いで省略される。同様に border の theme index 0(自動色)も省略される。 **テーマカラーの解決(ベストエフォート):** テーマカラーはファイルの `theme1.xml` から読み取り、OOXML の lt/dk スワップを適用して `#RRGGBB` に解決する。解決できた場合は `theme(N,resolved=#RRGGBB)` の形式で表示し、`resolved=` は近似値であることに注意。テーマ XML が解析できない場合は `theme(N,tint=T)` のように生の参照のまま出力する。 **max_style_ranges — range 数の上限:** `max_style_ranges`(デフォルト 250)で全シートを通じた range 出力数を制限する。上限に達した場合は `[styles truncated: max_style_ranges=N reached]` を表示し、以降のスタイルは省略される。値テーブルが先に出力されるため、スタイルセクションがトークン上限で切り捨てられても値は失われない。 **編集には python + openpyxl を推奨:** ReadExcel はスタイルを読むだけで、書き込みは行わない。既存スタイルを保持したまま値を編集する場合は `Bash` ツールで python + openpyxl を使うこと(openpyxl は触れていないセルのスタイルを保持する)。 ### ReadDocx ```js ReadDocx({ file_path: "input/spec.docx" }) // → 本文 + 表を抽出 ``` ### ReadPPTX ```js ReadPPTX({ file_path: "input/slides.pptx" }) // → 各スライドのテキスト・表・スピーカーノートを返す ``` ### ReadMsg Outlook の `.msg`(OLE2 / CFBF 複合バイナリ)メールを読む。 ```js ReadMsg({ file_path: "input/inquiry.msg" }) // → 件名・差出人・宛先・CC・日時・本文(テキスト)と添付一覧を返す ``` 返却テキストの構成: ``` Subject: 見積もりのご依頼 From: 山田太郎 To: sales@example.com Date: ... (本文テキスト) Attachments (2): - 見積書.pdf (20480 bytes) -> input/見積書.pdf - data.xlsx (8192 bytes) -> input/data.xlsx ``` ポイント: - 本文は plain text を優先。HTML メールはタグを除去して整形。どちらも取れない場合は `(no text body)` - **添付は `input/` に自動保存される**。保存後は種別ごとのツールで開く(PDF → ReadPdf、Excel → ReadExcel、画像 → ReadImage など) - ファイル名は basename に正規化し、パス区切りや制御文字を除去(ディレクトリトラバーサル防止)。同名衝突時は連番を付与 - 添付に埋め込まれた `.msg`(メール in メール)は保存せず一覧に注記のみ。必要なら個別に扱う - 不正な `.msg`(CFBF シグネチャ不一致)は中身を読まずエラーを返す。バイナリがそのまま出力に混ざることはない ## 変換・分割系 ### PdfToImages ```js PdfToImages({ file_path: "input/scan.pdf", dpi: 200 }) // → output/ReadPdf/page-001.png, page-002.png, ... に保存 ``` スキャン PDF を ReadImage で扱うときの前段。 ### SplitExcelSheets ```js SplitExcelSheets({ file_path: "input/big.xlsx" }) // → output/excel/{sheetname}.md と manifest.json を生成 ``` シート単位で別ファイルにすることで、Read で必要なものだけ取り出せる。 ### SplitDocxSections ```js SplitDocxSections({ file_path: "input/long-spec.docx" }) // → 見出しベースで分割した .md と manifest.json を生成 ``` 長い Word 文書を構造化して Read で取り回しやすくする。 ## ファイル選択の指針 | ファイル | 第一選択 | フォールバック | |---|---|---| | PDF(テキストあり) | ReadPdf | - | | PDF(スキャン画像) | ReadPdf(自動 OCR フォールバック) | 手動 PdfToImages → ReadImage | | PDF 内をキーワード検索 | ReadPdf + `query` | Read → Grep(ReadPdf で出力保存後) | | Excel(小〜中) | ReadExcel | - | | Excel(巨大) | SplitExcelSheets → Read | - | | Word(短〜中) | ReadDocx | - | | Word(長文・章構成) | SplitDocxSections → Read | - | | PowerPoint | ReadPPTX | - | ## 注意 - すべて workspace 内のローカルファイル(`input/` または `output/`)が対象 - URL 指定不可 → DownloadFile で先にローカル保存 - 全ツール read-only(書き込まない) ## ファイルサイズ上限 Read 系ツールは悪意あるファイル / リソース枯渇対策として入力サイズを検証する。デフォルトは以下の通りで、`config.yaml` の `tools` セクション、または Settings UI の「Tools → Office ファイルサイズ上限」から変更可能。 | ツール | デフォルト | config キー | |---|---|---| | ReadExcel | 10 MB | `tools.office_excel_max_size_mb` | | ReadDocx | 10 MB | `tools.office_docx_max_size_mb` | | ReadPdf | 10 MB | `tools.office_pdf_max_size_mb` | | ReadPPTX | 50 MB | `tools.office_pptx_max_size_mb` | | ReadPPTX 展開後 | 200 MB | `tools.office_pptx_max_uncompressed_mb` | PPTX の「展開後」は ZIP bomb 検知用で、ZIP 内の全エントリの非圧縮合計サイズに対する閾値。超過時は `ZIP bomb detected: ...` エラーとなる。 マクロ付きファイル(`.xlsm` / `.docm` / `.pptm` / `.xlsb`)は警告付きで読み込まれる(実行はされない)。